少し古いニュースですがソニーが45nm以降の最先端LSIの製造を諦めて外部委託すると発表していますが、これは明らかな失敗でしょう。
これまでソニーはPSやPS2で度重なるチップシュリンクという方法で原価の低減を推し進め、大きな利益を出してきました。しかし、何を勘違いしたのかシステム技術出身の副社長が就任するとほぼ同時にこれまでの戦略を大転換すると発表しました。
『ソニーの中川裕副社長は13日、都内で記者団と懇談し、家庭用ゲーム機「プレイステーション3(PS3)」向けの高性能半導体「セル」の次世代品について、外部への生産委託を検討するなど、半導体事業の採算性向上に向け選択と集中を加速する方針を明らかにした。平成16〜18年度の3年で約4600億円だった設備投資額も大幅に縮小し、「投資回収の効率を向上させる」(中川副社長)という。』(産経)
「投資回収の効率を向上させる」という簡単な言葉で利益の源泉を新たに生み出す事を表現していますが、これは間違った戦略です。LSIで利益を生み出す為には粘り強い投資を続けなければなりませんがソニーはトップが交代する度に方針をコロコロと変更します。外部委託するということはIPも外部に流出することとなり、競合他社に対する参入障壁を大きく引き下げることになります。また、自社に都合の良い時期に外部の委託先のファウンドリがソニーにだけ都合良くチップを供給してくれることは有り得ません。その様なシナリオは委託先に足元を見られてチップ単価を引き下げることは不可能となります。
最近10年、ソニーのシステム関係者が世間を驚かす提案が皆無であったにもかかわらず、今後設計だけで勝ち抜けると考えているならばあまりにも甘すぎる戦略ではないでしょうか?
